近所に声をかけて早めに避難

 6日の夜、川がかなり増水していたので堤防の様子を見に行きました。農業用水路の水門を閉めて排水ポンプで小田川へ水を流す作業をしていた人が「追いつかない。内水氾濫するかもしれない」と声をかけてきました。昭和51年の台風の時に内水氾濫が起き、床下浸水を経験しています。避難準備したほうがよいと判断しました。自宅のある団地内(7,8軒)の人に避難準備をするように声をかけていましたが、22時過ぎに避難勧告を告げる広報車が走ったので避難を決断し、再度、避難するよう声をかけ、薗小学校へ避難しました。団地内には独居の高齢者が3人いましたが、家族に迎えに来てもらったり、説得して一緒に車で避難したりと対応しました。また、避難所で「集落内に一人暮らしのおばあさんが残っている」と言う人がいて、知り合いに電話をかけて、声かけしてもらうよう依頼しました。反応がないと返信があったけれど、「耳が遠いので、もう一度お願いします」と再び行ってもらうと「おった!」と。そして無事に避難できたケースもありました。

 

災害時への対応を検討し始めたばかりだった

服部地区では、小地域ケア会議を立ち上げ、平成26年から見守り活動と災害時の対応への取り組みをはじめていました。全戸にアンケートを実施し、災害時に助けが必要か、または助ける側として協力できるかなどを確認し、個人台帳を完成させて月1回の見守り活動から始めていました。昨年に災害時の対応について勉強会を実施し、今年度は町内会ごとに対応策の話し合いをはじめるよう依頼した矢先にこの度の水害が起こりました。残念ながら服部地区では4人の方が亡くなられました。中には避難しようとしたけれど、逃げ遅れてしまい、玄関先で亡くなられていた方もいらっしゃったようです。やはり避難準備情報や避難勧告が発令されたら、早めの避難を行う体制が必要だったということです。

 

まとまりのいい服部 良いところを伸ばす復興を

服部は240世帯と一番小さな地区です。このため昔あった町民運動会では、子どもの数も少なく、リレーなどの走る競技では負けていたのですが、樽転がしや長縄飛び、応援合戦などチームワークが必要なものは1番強かったです。「服部はまとまりがいいな」とよく言われます。それを大事にしたいと思っています。今回の水害では約170世帯が浸水し、約70世帯がみなし仮設など地区外に避難しています。9月から「集いの会」を開催し、11月までは毎週開催していました。約80人〜100人くらいの人が毎回、参加してくれます。「集いの会」は服部住民の集いとして開催していますので、誰でも参加できます。しかし、家屋に被害がなかった人は遠慮され、参加が少ないです。農地の90%は被災しているので、ほとんどの方が被災者なのです。「集いの会」は今後も継続して開催していくつもりです。服部は農業振興地域で、農地を転用して住宅を建てられない地区です。また小学校がなく、安全に避難できる場所がありません。農業中心のよいところを伸ばす、地産地消の拠点となるような道の駅が緊急避難場所を兼ねて建つといいなと思っています。

 

(聞き手:矢吹、石塚)

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Vol.9

 まとまりの良さを大切に安心して暮らせる服部にしたい

中尾 研一さん (70歳) 服部

服部まちづくり推進協議会会長            

避難先:倉敷市玉島

2019年2月5日(火)