Vol.19

人とのつながりがあれば、強くいられる

梅崎 由佳さん (36歳) 箭田

避難先:玉島                     

2019年5月18日(土)

声をかけあって救助をまちました

 水害当日は、家族で避難するかどうか悩んでいる間に、下水がボコボコと音をたてはじめ、車のタイヤの半分ぐらいが水に浸かり、避難所へ移動するのが難しくなりました。アパートに住んでいましたが、下の階の住民が上に避難する間に階段も水に浸かってしまいました。どんどん水位があがってくるので、家にあるだけの浮き輪を膨らませ、最悪、泳いで待つしかないと思いながら、近所の人と助け合い、アパートの屋根の上へと避難しました。水位の上昇が止まるのを見るまで、本当に生きた心地がしませんでした。アパートの住民さんとは、今まで話したことがない方も結構いましたが、みんなで声をかけあい、助け合いました。中には、災害を経験された方がいて、寒さをしのぐためにビニール袋を持参され、穴をあけて頭からかぶることでレインコートの代わりを作ってもらい、本当に助かりました。一人や家族だけだったら、きっと耐えられなかったような経験でした。

気づいたら真備に来ている。自分にとって居心地のいい場所

 みなし仮設から片道30分かけて、子どもの幼稚園、小学校の送迎をしています。毎日のことなので大変です。今でも、雨が降るたびに私も子どもたちも不安になります。また、すべての物を失ってしまい、「あれあったのに、ないよね」と話すときもあります。子ども達も「今度はこれを持って逃げたい」と話すことも。そのような中で、同じ境遇の友達と学校生活を送ることは、子どもたちにとって救いになったと思います。命を優先して転校することも考えましたが、お互いに声をかけあって、助け合えることが、この苦しい時期には必要だったと思います。気づいたら、いつも真備に来ています。離れてみて、真備は私にとって大切な場所なんだと感じています。また、ボランティアさんとの出会いもあり、世界観が変わりました。性別や年齢もさまざまな方たちと、片付けや草取りなどの活動を子どもと一緒にしています。「家を復興させるだけでなく、心も復興することが大事」と言ってくださり、サッカーや野球をして子どもの相手もしてくれてます。そんな人たちの優しさに触れ、子どもたちの心も落ち着いてきたのだと思います。

 

みんなが手をつないで、やさしい安心なまちに

 今の時代、どこに行っても災害は起こると思います。「なぜ真備に戻るの」と言う人もいますが、「ここには、こんな人が住んでいる」とわかる関係性が築けていることが安心につながるのではないかと思います。私の住んでいたアパートは、自治会に加入していないので広報も届かず、ハザードマップも知りませんでした。小学校がどこにあるかも知らない人もいます。水害時にも「薗小学校はどこにあるのですか」と近所の人に尋ねられました。また、子どもに熱があって、避難所に行けなかった人もいます。みんながいざという時に「一緒に逃げよう」と言いあえるつながり、「あの人たちがいるなら、避難所に行っても大丈夫」と思えるような人と人の関係性ができるといいなと思います。私は今回の災害で、人とのつながりがあることで、辛いときでも、笑顔でいられるということを感じました。みんなが誰かとつながって助け合えるやさしい町をつくっていければと思います。

 

(聞き手:矢吹、石塚)