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Vol.12

 顔を合わせて心をつなぐ場を提供していきます.被災された方に元気をだしてもらうことが仕事

奥田 隆志さん (74歳) 薗(市場)

薗まちづくり推進協議会会長     

2019年3月3日(日)

まちづくりとしてできることを一生懸命やってきました

午後11時頃、就寝しようと思っているところに岡田地区の会長から電話がかかり、岡田小学校の避難所が満杯になりそうなので、薗小学校へ廻すので対応してほしいと依頼がありました。急いで身支度をしてでかけようとしたとき、総社の爆発事故があり、どこかで雷が落ちたのかと思いました。学校に着くと大勢の人が車で来ていました。雨が降り真っ暗な中で、車をどこへ停めればよいかわからないような状況でした。副会長に連絡し3人体制で車の誘導からはじめました。スポーツ少年団の方に照明の点灯を依頼し、みその公園も開放できるよう準備しました。午前3時頃になると到着する車が減ってきました。末政川の水位が10数cm下がったのを記憶しています。まさか堤防が決壊しているとは夢にも思っていませんでした。

 翌日の夕方、市場地区の役員を中心に集まり、まちづくり推進協議会として何ができるか話し合いをしました。ボランティアを募り、10日間の支援体制をつくりました。しかし、あまりに悲惨な状況で被災現場での支援は難しいと判断しました。そこで、罹災証明発行の手続きや郵便物の転送手続き、ボランティアセンターへの派遣要請の連絡先などを記載したお便りをポスティングすることにしました。また、避難所の支援物資の運搬、衣類の整理、トイレ掃除など、できることを見つけて取り組みました。分館には、体育館では避難生活が難しい人達が避難していたので、当番を決めて、朝の8時〜夜の8時まで交代で、担当していました。たくさんの地区住民の方がボランティアとして協力してくれました。

 

「チーム薗」心をつなぐイベントを開催

学校と社会福祉協議会、まちづくりの三者で、毎日、連絡会を設けていました。その中で、被災した子どもと、被災していない子どもが互いに遠慮しあって、気持ちが一緒になれる場がないと課題になり、「夏休みの夕べ」を開催しました。老人クラブや社会福祉協議会、美しい森を守る会など薗地区の13団体が協力して、ヨーヨー釣りや綿菓子、射的など子どもが喜ぶコーナーを「チーム薗」として取り組みました。また、11月に「第1回薗地区ふれあい広場」を開催し、餅つきやうどん、焼き鳥などの飲食のほか、子ども神楽や歌声喫茶など賑やかに開催しました。第2回は2月24日に行い、毎回800名以上人が参加しました。

 

薗地区に戻ってきてほしい 

被災された方には、被災した方は、将来の見通しがたった方もいれば、そうでない人もいると思います。薗地区としては、被害の大きかった有井の方々が戻ってこられないと、市場地区の方々も将来に希望が持てません。人が戻らないと事業所も戻らず、町の活気が戻りません。とにかくみなさんに戻ってきてほしいと思います。

 そのような中で、まちづくりとして何ができるかと考えると、会って心をつなぐ、これまで一緒に暮らしてきた人と話をすることで気持ちが和む場を提供することです。苦しいことも辛いことも、お互いに話し合っていると、明るい希望も見えてくるかもしれません。心をつなぐイベントをこれからも開催していきたいと思います。

      

(聞き手:矢吹、石塚)